電車に乗ったらおじさん二人組の会話が耳に入ってきた。
「乗り継ぎなしでどこそこまで行けるぞ」
「それは違う」
「どこそこにはなんちゃらがあってよう
「それは違う」
「昨日はよう、なになにさんがよう…」
おじさんの会話は否定から入りどんどん内容が変わっていく。
そうか習性なんだ。
基本自分が言いたいことで言ったことも忘れている。
お互いの話はほぼ聞いていないくてツッコミどころ満載で微笑ましくなった。

わたしが何か言うと
「それは違う
教えてやるから黙って聞け」
では会話は減っていく。
「正しさは人それぞれだから命令されるのも説教されるのも好きじゃない」
怒鳴られるのが恐くてすぐ謝っていたからいけなかったんだと諦めずに言い続けていたら家人もだんだん丸くなってきた。

「お墓参りは揃って行かなくてはいけない
勝手なことをするな」
そう言われてからは実家のお墓参りだけをするようになっていたら春分の日には
「両方参るぞ」
と車で連れて行ってもらえてありがたかった。

結婚40年目、定年後の家計は家人が管理してるから毎日の家事から解放されてわたしのペースで家人がしないことをしている。
カレンダーに予定を書き込み(ほぼわたしの予定)自由に干渉せず期待せずにいるとちょっとしたことに感謝出来るこの頃。