その後のその後。
豊田市駅に小田原のどかさんの写真作品があった。
彫刻家であり彫刻研究者だそうだ。
その写真を一目みて長崎の被爆のマリア像だとわかった。
そしてもう一枚はベルリンのレーニン像。
どちらものどかさんの手が添えられている。
ただれた頬に、崩れた首にまるで痛みを吸い取るかのように。
そして本来ならもう一枚作品があったそうだ。
それがソウルの平和の少女像。
のどかさんはどこに手を添えていたんだろう。
作家がどんな祈りを込めて作ったのか知りたいと思った。
そして今の現状をどう感じているのかも。

のどかさんに撤去の要請はなかったそうだ。
ここにもまだあると再び攻撃の対象になることが想像され展示を取りやめたようだ。
執拗な苦情の恐怖と人命の尊重を一番に考えた津田監督と大村知事。
それならば危害予告はまぎれもない事件だとなぜ誰も思わないのだろう。
表現の自由、言動の自由は自らの責任を持って行われるべきだと思っている。

のどかさんは最後にこう綴っている。
「つくること、書くこと、展示することは、対立を深めるためではなく、他者への想像力を絶やさないこと、あらゆる意味における相互理解とともにあると信じています。」

豊田会場は美術館以外はチケットなしで観ることができる。
戦前戦後時代によって像が変わり台座だけが再利用されてきた。
等身大のその台座に登って像になってみるのもいい。
移築保存されている喜楽亭は神風特攻隊の若者の壮行会が行われた建物。
映し出される映像作品をその場所で感じることを大切にしたいと思った。
(そこで動画撮影のために訪れていた津田監督との遭遇にもご縁を感じた。)
そして圧巻は移転で廃校になった高校のプール。

豊田市美術館ではクリムト展開催中。
週末は大盛況すぎる。
あいトリ企画の寝転んでみるくらげのような白い花でまったりするのもお勧め。
豊田の夏はまだまだ熱い。