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(蟻は左足の二番目から歩き出すそうだ。)

モリにとってその庭は宇宙。
蟻を眺め石を見つめ自ら掘った池にたたずむ。
勝手に上がりこんだ来訪者たちと奥さんと姪のやりとりはまるでドリフのコント。
耳が遠く歯のないモリはマイペースで食べる。
ハサミで切り刻みペンチでつぶし汁が飛んでもこれはいつものこと。
食事は目で楽しみ歯がなければ自分で工夫し咀嚼する。
差し向かいの囲碁では奥さんにはかなわない。
家が社会。
そして誰も入れないドアの向こうには学校と呼ぶアトリエがある。
時を止めた懐中時計を分解して夜な夜な組み立てていた。

モリは言う。
「生きることが好きだ。」
無一物とはなんて豊かなんだろう。
「行ってらっしゃい、気をつけて。」そう二本の杖をつくモリを庭に送り出す奥さん。
誰もが飄々と生きている。

追記
モリのいる場所」にあえて違和感を入れた意図を考え続けていた。
そうか、ちょうちんあんこうのような宇宙人が地底人だとしたら。
空からではなく池の底が出入り口。
だから石ころの代わりに表札を拝借したんだ。
地底人こそモリの一番のファンだったかも。

お友達からお知り合いの同級生が藤森さんで写真集を持ってるよとライン。
繋がってるんだなあ。