昨夜はすごい雨だった。
小一時間で通り過ぎたからよかったものの県内では河川の氾濫も危惧されたりしていた。
そんな中わたしは本を読んでいた。
この人好きだ。
淡々とした言葉のリズムにやさしい距離感・・・。

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まずいスープを作り失踪した父。
タコは足がちぎれてそれがもそもそ動いていてもその足を自分だと分かっているんだろうかと・・・。
母は酒に溺れそれでも息子の洗濯をしようと階段から足を踏み外す。
アル中はアル中では死なないらしい。
他の病気になるか階段から落っこちるか。
大好きならもさんもそうだった。

丼に閉じ込めた蝿を妄想する若者。
転職のつもりが失業保険をもらっているうちにそれが切れても派遣の日々。
競輪であぶく銭が入っても同棲中の彼女の喜ぶ天丼にこだわる。

ブリキのバケツにフナをいれて庭に置き去りにした怪しい男。
それを部屋の窓から凝視してしまう病み上がりの女。

誰もが少しづつ人生を逸脱ししている。
無関心でもなく偉そうでもない。
人生とはおかしくて哀しいのだ。

戌井 昭人 著

まあいいかと日々を送っている。
肩の力が抜けたぐうたらなバランスが妙にしっくりしている。
蝉の声がうるさいけどまあいいかと今日も暑い一日が始まる。