洗面所の蛇口をおもいっきりひねる。
栓をして家を飛び出す。
あふれる前に自販機でジュースを買ってもどってこれるかどうか。

お風呂の蛇口をおもいっきりひねる。
栓をして家を飛び出す。
近所の小汚い中華料理屋でランチを食べてもどってこれるかどうか。

これは映画(インスタント沼)のシーン。

そしてわたしはもっとどきどきする旅に出た。

使われなくなった水力発電所のコックをおもいっきりひねる。
大きな水瓶から溢れ流れる。
そしてカウントダウンとともにザバッとひっくりかえる。
一瞬目の前の水しぶきが競りあがってくる。

どうでもいいことをおもいっきり楽しんでみる。
だからなんなのなんて野暮なことはなし。
それがいいのだ。
無駄の可能性のエネルギー。

面白がれる幸せ。
たくさんの元気をもらった。


下山芸術の森発電所美術館大洪水