舞台のドレスアップした寺島しのぶは美人だった。
もちろんスクリーンのノーメークの彼女のふり幅はさすが。
上映前の舞台挨拶だったのでオブラートに包んだ話し方だったけれどその分想像力が描き立てられた。
「子作りに励もうかなと思っていたときにこの映画に巡り会えた。」と語った彼女は無意味に脱ぐことに悩んでいたように思えた。
女を演じる時に付いてまわるその境界線は難しい。


食べて寝て食べて寝て。
人の欲は時に虚しく時に生きる活力。
支配される側と支配する側。
それが逆転した時もまた同じ。

「面白かった?」
お友達に聞かれたけれど答えれなかった。
まだこの映画を消化しきれていない。

そのお友達に鶏頭の真っ赤な花をもらった。
子供の頃はその赤さと肉感が怖かった。
でも今は不思議だけれどすっとまっすぐに立つその花を美しいと思える。


連合赤軍の若者達が雪の中を迷走するシーンを撮影している時にその親世代を撮りたいと若松監督は思い描いたそうだ。
戦争映画としてのフェアさも評価されての賞。
銀色の熊も名古屋にお供していた。

イモムシごろごろ。
そうつぶやく空しさ。
あきらめるのではなく体制に同化しない個々の意思か・・・。


♪ 死んだ女の子