青いカバンを買った。

「本当の君が見えたら、その瞳を描こう」
モディリアーニは青いドレスのジャンヌを描く。
夫として父として生きる決心したその夜、暴漢に襲われたモディリアーニに青い雪が降りしきる。
それを追う様に青いドレスが宙を飛ぶ。
悲恋はいつも女が主人公。(HDD)

青いカバンを持った女性とすれ違った。
その佇まいに振り返る。
その日から私は青いカバンの虜になった。

軽くてやわらかいカバンを見つけた。
肩からかけて鏡を見たら手離せなくなった。
二度と出会えないかもしれないと。