上映中ずっと胸がざわざわして苦しかった。
そして今も。
人が人を裁く怖さ。

十人の真犯人を逃すとも、
一人の無辜(むこ)を罰するなかれ


痴漢の冤罪。
神のみぞ知るのではなく容疑者のみが知るのです。
それでもボクはやってない。」
真実を語れば裁判官はわかってくれるわけではない。
裁判官を裁くのはボクだけ。

この映画を観たらもう満員電車には乗れないでしょう。
「やめてください。」そう叫ばれたらやっていなくても痴漢として拘束されてしまうのです。
その片や常連の痴漢がやりましたと認め示談が成立すれば簡単に釈放されてしまう。

これが日本の司法の現実。

痴漢にあったことがあります。
その時の怖さ、ざらっとしたあの気持ち悪さ。
声は出ませんでした。

勇気を持って声を上げた女子中学生。
彼女もまた被害者です。

息子には満員電車には乗るなとしか言えません。
もし乗ってしまったら手を頭の上にのせてと。

機会があったら観て下さい。
周防監督の新作はお坊さんでもお相撲さんでもダンサーでもない普通の人なのです。
ある日突然犯人にされてしまう・・・。