いつの時代も転校生は孤独なヒーロー。
その街ではあたりまえのこと。
そこに新しい風が吹く。

中学一年生の二学期。
男の子はみんな坊主だった。
そこに長髪の転校生がやってきた。(今思えばたんなるぼっちゃん刈り)
先生達に何を言われようと坊主にはならなかった。
そして二年生の春、髪型が自由になった。

中学三年の春、靴下をのばした転校生がやってきた。
女の子は校則で白の三つ折と決まっていた。
のばした靴下がかっこよかったけれど私には勇気がなかった。

女子高に通い、校則ずくめの中でこっそり冒険をした。
カバンをぺちゃんこにしたり、校門を出たとたんソックタッチを取り出した。
制服も自分で改造した。

もちろん自由はいい。
でも規則があるからこそ自由はいいと思える。
卒業して自由になった時その規則が懐かしい。

吉野のおばちゃんを見て母校のシスターを思い出した。
伝統を重んじ頑固で堅物で。

でも今は私利私欲もなく信じる道を貫きとおす潔さをかっこいいと思う。

そしてピンクの着物のおっちゃんは実際にいたら怖いけど哲学者だ。