ここのところ家族の物語を続けざまに読んでいた。
同じ傾向の本をセレクトしてしまうのは、その時に感じている何かがそうさせるのか。

「星々の舟」 村山 由佳 著
「グットラックららばい」 平 安寿子 著
「空中庭園」 角田 光代 著

家族ってすごいなって思う。
恋人や夫婦は別れたら終わりだけど家族に終わりはない。
良くも悪くも。

それぞれの物語はそれぞれの視点で書かれているオムニバス。
主人公は一人ではない。
私であってあなたであって時には彼、彼女。
同じ出来事があってもそれぞれの感じ方は違う。

やっとそれがすとんと納得できてしまった。
母は子供を支配するものではないし、妻だけが家庭を守っているなんてこともおこがましい。
夫には妻の全く知らない職場での顔がある。

私を見つめているもう一人の私。

娘が「お母さんってよくあっけらかんと三人育てたよね。」って言った。

あっけらかんって・・・。
それ、ほめてる?
明日の心配をせずに能天気でいられたことはたしか。
毎日があっという間に過ぎていたから。

世間が認める優等生ではないけれど三人の子供達もあっけらかんと大きくなってくれた。
あきらめるのも早いしぐずぐずしていない。
無理もしないしそのおかれた状況でなんとかやり過ごす強さも持っていそうだ。

健康ならいい。
離れ離れになってもいい。
時には隠し事をしてもいい。
自分らしく人様の気持ちを思いやってくれればいい。
困った時に思い出してくれればいい。
それが家族だから・・・。