朝のテレビ。
受験競争を勝ち抜いて私立中学に入学したものの退学になり地元の中学に編入してくる子が増えているそうだ。
理由はさまざま。
もちろん経済的な理由もあるが、学業不振や素行やいじめなどもありそうだ。

退学によって受けた心の傷。
小学校の同級生との友情を育まず勉強を強いられてきた子がすんなりと受け入られるのは難しいのも実情。

私立中学の言い分もあるのだろう。
せめて三年間はどんな理由があろうと見守り育てて欲しい。
いい子過ぎた子供達だからこそ。

高校入試を三人の子供とともに経験した母親として思うことはまずは三年間無事にその入学した学校で過ごして欲しい。
卒業式で仰げば尊しを歌って欲しい。
大学受験はその後のこと。
そこでまた新しい目標を見つければいいのだから。

三月一日は次女の高校の卒業式だった。
勉強はともかく部活やバイトやバンド活動に忙しく家ではただ疲れ果てて寝ていた三年間だった。
楽しそうに級友と戯れる次女が嬉涙でかすんだ。

もうすぐ高三になる末っ子の息子。
休みは身体を動かしたくてしようがないらしい。
怪我が治ったとたん待ちきれなかったように飛び出していく。
心の片隅には大学の事もわかってはいるのだろうけどそれをあえて先延ばししているようにも見える。

長女は大学を一年間休学した。
出産と育児のために。
もうすぐ袴姿で卒業式に出席する。
卒業単位が足りないのであと半年残る事になるのだけれど、ゼミの仲間や教授が一緒に卒業したいと嘆願してくれたそうだ。

いろんなことはあったけれど入学した学校を卒業できることほど幸せな事はないと思う。