カレンダーに行き先と矢印を書き込んで旅に出る。
家人がいれば行って来ますぐらい言うかもしれない。
でもわたしがどんな服装をしていたか、何を持って出かけたかなんて知るよしもないだろう。
興味がないし関心もない。
だからこその自由。
重たい荷物も豪雨も負けずに家を飛び出す。
ある朝バスの転落事故で妻が死んだ。
そこから夫である作家の永い言い訳が始まる。
言い訳は自分に都合よく物語が語られる。
そこに相手の言葉にならない想いなんて想像すらできない。
それでもその時から無関心ではいられなくなってしまった。
大好きな西川監督は作家でもある。
原作はもっと本能に翻弄される。
人は正しくないし強くもない。
その痛みにひりひりしていたけれどそこは蓋がされていた。
もっくん演じる幸夫くんは鉄人と漢字は違うけれど同姓同名。
広島惜しかった。
今年はいっぱい旅をした。
春と秋の瀬戸芸。
京都に東京。
源泉湯宿も満喫した。
今しか出来ない旅もある。
どう頑張っても働けるのも後数年だろう。
行きたい場所に自分の力で自分の足で自分で荷物を持って旅をしたい。
お化粧や髪型や服装にこだわると荷物がどんどん増えていく。
何を着ていくかその日の朝の気分で決めるからそれによって持っていく着替えの服も変わる。
靴を履いたままいけないとわかっていても土足でばたばたして旅に出た後は泥棒が入ったみたいだ。
だから旅先で亡くなることは絶対に出来ない。
言い訳もできなくなってしまうから。
ピストルくん有名人になっちゃった。
2016年10月
普段は飄々として冴えない伊藤さん。
小学校の給食のおじさんをしている。
でも時々ぴしっとしている。
尾行するときは靴を見てとかお父さんの居場所を昔の友達の伝で調べてくれたり。
なんとなく前職を想像できるけれど口にはしない。
あやさんはスプーンをなめる癖がある。
お父さんはスプーンを集める?癖がある。
癖は無意識だけど執着するには訳があるのかもしれない。
柿は買うものじゃないとお父さんは言う。
ソースはウースター(ウスター)だと言う。
記憶がこだわりを生むんだなあ。
無花果が大好きだけどそれもわたしの記憶のこだわりだ。
毎年夏休みの祖母の家ではもぎたてが食べ放題だった。
スイカや瓜も縁側にたくさん転がっていた。
だから買うのはもったいないと思うけれどどうしても食べたい葛藤がいつもある。
原作が大好きだったので映画化されると聞いてすごくうれしかった。
体育の日に(今年は正真正銘な体育の日だった)ミュージアムショップで作家さんの素敵なスプーンに出会ったけれど諦めた。
いつか家の中のことを目を細めて任せてくれるようになったらと想像するだけで今は十分だ。
旅とアートと映画と本がシンクロする。
至福の瞬間だ。
お昼にとんかつを食べて柿が無性に食べたくなってスーパーに立ち寄って帰宅した。
まりりん
まーちゃん
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