函館の坂を憧れのオダギリジョーと一緒に自転車で下る。
テレビの番宣で満島くんの夢が叶った。
孤高の作家、佐藤泰志の函館最終章は豪華出演陣。
何度も芥川賞候補になりながら自ら命を絶った佐藤泰志はまさか三本も映画化されるなんて思ってもみなかっただろう。
舞台は職業訓練校。
年齢も学歴も職歴も様々でそれぞれの事情を抱えている。
暴力沙汰の後で大学を卒業して現場を知らない教官に年金をもらいながら訓練校に通う勝間田は言う。
「俺からオメエに教えてやるよ。学校の外にはな、オメエが思ってるより色んな人間いるんだ。それがわがってねえば、またおんなじ目にあうど。」
ソフトボール大会、青空に打球が吸い込まれていく。
壁を超えてフェンスを超えて飛んでいく。
最終章の「オーバー・フェンス」がハッピーエンドだったかどうかはわからないけれどこの先の希望は見いだせた気がした。
さらっと役者に言わせる言葉と、言いたいからこそセリフにできない言葉がある。
そんな言葉こそ感じたい。
現実の感情任せに吐き散らす蔑んだ言葉は恐怖でしかない。