2014年12月

よいお年を

義父母の眠る場所から見える御嶽山は雪をかぶり白く輝いていた。
ただいつもと違うのは火口から今も噴煙が立ち昇っている。

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今日だけはゆったりと過ごそう。
昨晩から浸していた丹波の黒豆をとろ火で昼中煮る。
甘さ控えめのあっさりした味付け。
鉄鍋でぽきっと折れるまでゆっくり煎る田作り。
胡桃とごまとはちみつを入れる。
コンロが空いたら紅茶豚も。
おせちは帰省してくる子供たちをわくわくして待つ料理だ。

心地よく暮らすには上手に避ける事。
誰をもしあわせな気持ちにさせてくれるいつもごきげんなえくぼくんがいるのだから。
羊のようにもこもこと柔らかな年でありますように。

ラッキーガール

職場の忘年会のビンゴ大会でなんと一等賞。
人生初かも。
「ラッキーガールじゃん。」と同僚が言う。
そもそもお世話になれたことがラッキー。

パート歴で一番よかったことはそこかしこのお友達ができたこと。
年末はそんなお友達との会話が弾む。

友達とごはんを食べる。
映画を観る。
本を読む。
アートを楽しむ。
旅をする。
おしゃれをする。
そのためにやりたい仕事をする。

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・・・そしてぽっちゃりを返上したい。

木暮荘物語

妻の第六感は侮れない。
夫である喫茶店のマスターが入れる珈琲が最近まずくて飲めない。
まるで泥水を飲んでいるようなのだ。
「砂を飲んでいるような時は嘘をついている時。
そして泥水は浮気をしている時。」
喫茶店の隣で妻が商う花屋のお客さんがそうつぶやいた。
そのお客さん自身は決して人の作ったものを食べない。
砂や泥を感じたくないからだ。
誰かと関わることはそれを含めてなのだ。

古い安普請のアパート木暮荘。
そこに暮らす住人の気配は筒抜けで覗き見されている。
読者であるわたしももちろん覗き見しているような気持ちになる。
住人は哀しいほどおかしくて生々しい。
それでも好きだなあ。
ちょっとゆがんではいるけれどつつましやかに誰かを想っている。


木暮荘に二階に住む会社員は斜め下の女子大生の夜な夜な声を覗き見したくて隣の壁と床をめくった。
わたしがいつもお世話になっている美容師さんは古民家を買って自ら土壁を壊し床を張って開業独立した。
天井をめくってみたら太い梁が渡してあったのでそこにLEDの電球をたくさんたらしていた。
真っ白な漆喰の壁には左官屋さんにお願いした波紋がいくつも彫られていた。
わたしのお気に入りの隠れ家だ。

0.5ミリ

小説家、映画監督、脚本家の安藤桃子。
そして女優の安藤サクラ。
最強にかっこいい姉妹だ。

三時間越えの大作「0.5ミリ」。
曰くありげなな老人を脅してずうずうしく家に上がりこむおしかけヘルパー。
先日遺産目当ての結婚を繰り返していた事件があったけれどサワちゃんは格が違う。
家事も介護もさりげなくそれでいて率直で手際がいい。
最初はおびえていた老人もいつのまにかサワちゃんの素性や目的はどうでもよくなる。

0.5ミリは1ミリの半分。
添い寝の距離感なのか。
老いの入り口にいるわたし。
最近いつも眼鏡を探しまくっている。
乗り物に乗ればキップを探す。
今はまだなんとか見つかるけれどそれが見つからなくなり不安とふがいなさでいっぱいになるのが老いというものなのだろう。
サワちゃんはそんな介護マニュアルにはない道しるべなのだ。

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福福荘の福ちゃん

出発の歌
何年ぶりで聞いただろう。

福福荘の福ちゃんのとってもいい顔を見ていたら性別も容姿も年齢もどうでもよくなる。
年々ぽっちゃりおっさん化していると自覚しているけれどそれもまあいいか。

最近何事も欲張らないし無理もしない。
でも小さなチャンスは逃さない。

さあ今、銀河の向こうに飛んでゆけ。


まりりん

まーちゃん

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