「女といっても・・・一様に月のものが上がり目もかすみ耳も遠くなってき始めた齢ごろの・・・老婆たち・・・」
中上健次の小説のくだり。
ちょっとどきんとしてお友達につぶやいたら人生五十年の時代もあったのだからと。
いい時代になったものだ。
白髪は毛染めできるし、遠近や中近のすぐれものの眼鏡のお世話にもなれる。
耳の方は耳石がはがれたようでめまいもあったが収まってきたようだ。
旅に出るにも月のものを気にしなくていいしそれはそれで快適だ。
テレビで横浜トリエンナーレのやなぎみわさんの日輪の翼というトレーラーの作品をみた。
実物をすごく見たかったけれどぐっと我慢して図書館で本を借りた。
途中で返却日になってしまったけれどその移動する翼の肌触りみたいなものはわかるような気がした。
仕事でも子守でも脇役で必要とされている間はもうしばらく抗っていよう。
そしていつかしがらみのない気ままなちょっとさみしい老婆になるのも悪くはないような気がする。
2014年11月
「ドライブインに来る人は、みんなどっかに行く途中の人やねんで。
いつまでも長居したら目的地にたどりつけへん。
それじゃあかんからまずいものを出すのが決まりなんや。」
くらわんか舟の末裔の弟が言う。
大好きな伊藤たかみの短編小説の映画化。
かすけた家「ドライブイン蒲生」に生まれた姉と弟。
かすけたはバカという意味らしいけれどそこにはどこか哀愁がある。
飲んだくれの亡き父だったけれど殴るときは左手だった。
その左手にはスペードにしか見えない黒桃が彫ってあった。
姉は「本当のお父さんは別にいる。」と空想し真に受け父に告げ口する弟だった。
ギターの音色が沁みた。
深夜のケイコール。
運動不足の昨今、近所のテニススクールの無料お試しを検索してしまったわたし・・・。
まりりん
まーちゃん
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