2012年06月

11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち

三島は三島という小説を完結したかったのだろう。
茶番と言われても美しい死を描きたかったのか。
関の孫六を手にした時からそれは決まっていたかのように。
ノーベル文学賞を逃してから川端や谷崎に勝るのは文学とは違う方法で世間をあっと言わせることだと。

三島に会いに行くと友人に話したら介添えの森田と血縁関係のお知り合いがいると言っていた。
そのせいかどうかARATA改め井浦新の美しい三島より満島ひかりちゃんの弟さんが演じる妙にがむしゃらな森田が気になった。
三島というカリスマに出会わなかったら学生時代は好奇心からいろいろ横道にそれたとしても平凡なサラリーマンになっただろう。

若松監督が追いかけるテーマは子供心にリアルタイムで知っている。
でもただ知っているだけで考えるには幼すぎた。
その分熱に浮かされることもなく冷めた世代かもしれない。

若松監督がその時代に寄り添うならわたしはそれを観る。
1970年万博の年、そして三島が自決した年。

実家に帰った時に学生の頃読んでいた太宰の文庫本を持って帰ってきたけれど字が小さすぎて読みづらい。
ただでさえわかりにくい三島も本棚にあったけれど全集なので重くてあきらめた。
せっかく三島に興味をもったのだからせめて「金閣寺」は新装版で読み直してみたい。
そして没後気丈に生きた瑤子さんのことを知りたい。



ボストン美術館に行った。
話題の蕭白の雲竜図を見てきた。
わたしには美術の価値はわからないけれどやっぱり面白いものが好きだ。

images 


先日はお友達に招待券をもらったので中島潔を見てきた。
清水寺に奉納した鰯の大群は圧巻だった。

images いわし

中島潔は18歳で再婚した父を嫌い出奔したらしい。
それをずっと恨んで絵を描き続けたそうだ。
中島潔の絵には母の名前からとった梅吉という犬が出てくる。
お知り合いのアドレスがumekitiだったことを思い出した。
今度会ったらプレゼントしようと小さな梅吉を買った。

コクリコ傘 その4

「ちょっと待ってくださいね。」
きっぷを捜すわたし。
ちゃんとポケットを決めてるはずなのに旅に出ると一度はやってしまう。
かばんをごそごそやっていたらガイドマップの間から出てきた。

「すいません。」
そう頭を下げて最後部にすわっているお友達の元へ恥ずかしさもあいまって駆ける。

周遊バスのあかいくつは戻ることはしないのでふりだしの桜木町へ戻ってしまった。

「このバスは運転手交代のため二十分間停車します。
お急ぎの方は前のバスをご利用ください。」

前に停車していたあかいばすよりももっと早く出発する100円バスに飛び乗る。
発車してから気がついた。

「あ、傘忘れた。」
「今度はまーちゃん。」
「きっぷを捜してた時に運転手さんの近くの手すりに忘れたんだ。」

ふがいなさに変なことを考える。
場所をちゃんと覚えているのが忘れ物でどこでだかわからないのが落し物か。
だとしたら忘れ物の方が格が上なのではないかと・・・。

100円バスは赤レンガ倉庫が終点。
そこからあかいばすで中華街を目指す。
四つめのスタンプポイントは中華街のチャイナタウン80。
場所を聞いたら目の前にあった。

スタンプシートには五つ以上のラリーポイント以外にauショップのスタンプも必要 
auショップを含む五つ以上のスタンプが必要。(帰ってから気がついた。)
元町商店街を通り過ぎて石川町にあるauショップに向かう。
一軒一軒立ち寄りたいところだけどだんだん雨も本降りになってきて傘なしでは厳しくなる。

「さっきのチャイナタウンにパンダの傘があったよ。」

レジで正札をはずしてもらい即使用。
その黄緑色のパンダの折り畳み傘は後日かーくんのお気に入りのお土産になった。

最後のポイントは横浜マリンタワー。
プレゼントの交換場所でもある。

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わたしのプレゼントのシグナルフラッグのマグネットはH。

「私は水先人を乗せている」

ダメモトと思い携帯できっぷに書いてあった番号にかけてみる。

「あかいくつのバスに傘を忘れたものです。
三時四十分に桜木町に着いて四時出発とアナウンスがありました。
ペパーミントグリーンに白の水玉で茶色の縁取りの傘です。」

「ちょっと待ってくださいね・・・・。
ありました。
今どこにいますか。」

「マリンタワーです。」

「傘を乗せたバスはあと三十分でそこを通過します。
運転手にマリンタワーのバス停でお渡しするように連絡しますから待っていてください。」

その間横浜人形の家のショップで物色してそのバスを待つ。
戻ってきたそのペパーミントの傘はスタンプラリーをしているあいだ何周もしていたのだ。

感謝感激雨あられとはこういうことを言うのだろう。
最高なヨコハマガイドだった。
アンケートに傘を失くしてちょっと残念でしたと書いたばかりだったけどとんでもない。
最高の水先案内人がちゃんといてくれました。

そのあかいばすで山下公園前まで乗せてもらい心置きなく中華街に繰り出した。
「世界一安全な中華街です」とのアナウンスに受けまくっていたけれど天津甘栗攻撃に参った。
「路上での押し売りは違法です」って書いた看板の前で堂々とやっているのだから。
それも風物詩なのだろう。

中華街に行ったらどうしても行きたいロウロウと言う洋服屋さんがあった。
そこでこの夏限定の二千円のTシャツを買いたかったのだ。

ロウロウさんで中華料理のお店「金福楼」を教えてもらう。
お値段もそこそこ良心的でおいしくてオススメ。
他に待っている人もいなくてちょっと待っただけで入れたけれど行列の出来るお店みたいだ。
料理もよかったけれどデザートの胡麻団子がよかった。

「温かいのと冷たいのとどちらがいいですか。」

ずっと胡麻団子といえばごまをまぶして揚げたものだと思っていた。
中華街のは水餃子のごとくお湯に浮いていたのだ。

「じゃあ冷たいのは氷水に浮いてるんだね。
揚げたての胡麻団子が冷え切ったんじゃないんだ。」

赤レンガ倉庫でお昼を食べてから何も口にしていなかったのですごい勢いで食べたからガツガツしていたかも。
もちろんチンタオビールを飲みながら。

JRの石川町駅の場所を聞いて桜木町駅で地下鉄に乗り換えて新横浜に着くとお友達の傘は待っていた。

「新横浜に泊まられるならよかったです。
遅いから帰れなくなるんじゃないかと心配してました。」

駅員さんからそんな嬉しい言葉ももらった。


ホテルに戻るとすでに荷物はお部屋に運び込まれていた。

「こちらの都合でお部屋がワンランク上になりました。」

なんとその部屋は料金表によると六万円の部屋らしい。
追加ベットは四千円。
そんなことも知らずわたしはベッドに寝かしてもらったので三万円の夢を見させてもらったことになる。
ただ疲れすぎて夢もみなかったけれど。

赤い靴コクリコ その3

雨が上がったみなとみらいの町並みで地図を広げる。
帆船日本丸横浜みなと博物館でまず一個目のスタンプを押す。

「観覧車に乗りたい。だって世界一だよ。」

何が世界一かわからないわたしのリクエストに面白がって付き合ってくれるお友達。
待ち時間なしでせっかくてっぺんを待ち構えていたのにおしゃべりをしていたら通り過ぎていた。

富士山に登ったお友達は富士山を見るたびにあそこに登ったんだなあと思うという。
きっとわたしは違い過ぎるけどテレビで観覧車が映ったらあのてっぺんにいたと自己満足するはずだ。

お昼は赤レンガ倉庫でと決めていたので霧雨の中のを歩き出す。
赤レンガといえば赤い靴の女の子。
石坂浩二賞をもらったなんちゃって赤い靴の靴下にお友達が篆刻で作ってくれた実印を入れるのにぴったりな赤レンガ限定のキタムラの赤い靴のキーケースを買う。
赤い靴の女の子のクリアファイルを買って小雨で濡れない様にコクリコ坂の地図を入れる。

00103-01あかいくつ
のんびりしていたらスタンプラリーは終わらない。
それぞれに終了時間も違うからどこから攻めるか話し合う。

さあ、あかいくつに乗って移動だ。
バスの車窓からクィーンの塔が見えてきた。
新県庁前で降りるとそこはキングの塔の前。
その向こうにジャックの塔が見える。
横浜三塔をみると幸せになれるかもと勝手に思いうれしくなる。
二つ目のスタンプラリーポイントは横浜開港資料館。

時間短縮でスタンプを押して三つ目の大桟橋を目指す。
クジラをイメージした国際客船ターミナルだ。
板張りの傾斜がアスファルトととは違うやさしさを感じさせる。
三つ目のスタンプ押してちょうどきたあかいくつに飛び乗ったまではよかったけれど・・・。

ぶらりコクリコ その2

桜木町で地下鉄を降りたときに気がついた。

「あ!傘忘れた。」
「どこで。」
「新横浜の改札で切符を買った時だ。」

桜木町の改札で問い合わせをしてもらおうとおそるおそる尋ねてみる。

「連絡きてますよ。
三人さんがみえたら新横浜の改札で傘をお預かりしているとお伝えくださいと。」
「ぅわ~ありがとうございます。」
でもなんでわかったんでしょう。」
「ぶらりキップを買われたらこちらを通られますから。」

みなと横浜が大好きになった。
何も気がつかず地下鉄に乗っている間にそんなやりとりがなされていたなんて。

コクリコ坂からヨコハマガイド その1

JR東海ツアーズで新幹線とホテルだけをとってお友達と無計画な三人旅に出た。
新横浜に9時前に着く。
ホテルアソシア新横浜に宿泊なのでまずは荷物をフロントに預ける。

「さあどうする?」
「案内所で聞いてみようか。」
「あ!まだ開いてないじゃん。」
「それじゃあお腹もすいたしまずはスタバでお茶だ。」
そんな旅の始まり。

10時を待って案内所に入ると棚にコクリコ坂のチラシを見つけたので手にとった。
コクリコ坂が宮崎吾郎さんの映画だとは知ってても観たことはない。
横浜を舞台にした映画だったのかとそこに書いてあった不易流行って言葉に惹かれる。
変わらないことと変わりゆくこと。

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スタンプラリーやってるじゃん。」
「しかも今日からだよ。」
「すごい、これは縁だ。」

そんな会話をしていたらカウンターのお姉さんが「みなとぶらりチケット」を教えてくれる。
その一日乗車券は気になっていた「あかいくつ」にも乗り放題だしそのお得感に弱い。
新横浜の地下鉄の改札口で買えると言うのではりきって歩き出した。

旅に出る時はお天気が気になる。
ただし今回は最初から雨だとわかっていたから折り畳みではない傘を持っている。
その傘にもいろいろ物語があるのだ。
まりりん

まーちゃん

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