2007年09月

青いカバン

青いカバンを買った。

「本当の君が見えたら、その瞳を描こう」
モディリアーニは青いドレスのジャンヌを描く。
夫として父として生きる決心したその夜、暴漢に襲われたモディリアーニに青い雪が降りしきる。
それを追う様に青いドレスが宙を飛ぶ。
悲恋はいつも女が主人公。(HDD)

青いカバンを持った女性とすれ違った。
その佇まいに振り返る。
その日から私は青いカバンの虜になった。

軽くてやわらかいカバンを見つけた。
肩からかけて鏡を見たら手離せなくなった。
二度と出会えないかもしれないと。

ミリキタニの猫

06231dcf.jpg


9・11のソーホー、あの日逃げ惑う群衆の中平然と絵を描き続けていた一人の老画家がいた。
路上で暮らす日系アメリカ人、ジミー・ツトム・ミリキタニ(三力谷)のドキュメンタリー映画。

アメリカで生まれヒロシマで少年時代を過ごし、戦うことを拒否しふたたびアメリカの土を踏む。
でもそこでまっていたのはアメリカの国籍を持ちながらも強制収容所に入れられ市民権を捨てる。

彼は絵を売るホームレス。
強制収容所で原爆で亡くなった人たちへの思いが断ち切れずに彼はたった一人で怒り闘い続けてきた。

その気持ちを癒したのはこのドキュメンタリー映画監督であるリンダ。
奇妙な共同生活。
リンダは社会保障を得るために奔走しそして離れ離れになった姉を探しあてる。
そして彼は帰宅の遅いリンダを孫のように心配する。
アメリカ人は自分の事しか考えていないようにいわれるけれど、行政も隣人もみんな温かくおせっかいだ。
「絵の先生をしてみない?」
いつのまにかアメリカの施しはうけないと頑なだった気持ちを変えていく。

国を相手にしたドキュメンタリー映画もあるけれど私はたった一人の孤高の画家に目を向けたこの「ミリキタニの猫」に最初から胸がしめつけられっぱなしだった。
亀仙人のような老画家は大好きな猫を描き続けながら今日も平和を祈り飄々と暮らしているにちがいない。

めがね

たそがれてきました。
わたしは日常そのものがたそがれているのでこれは日々忙しく頑張っている人の映画ですね。

素材を活かしちょっと一手間かければそれ以上のご馳走はありません。
ビールをいただけばそれがもっともっとおいしくなります。

朝は「おはよう」と声をかけ夜は家族に自分に「お疲れさま」って言える日々。
のんびり風に吹かれて遠くをぼ?っとながめればほとんどのことがたいしたことはないのです。

この映画の距離感が好きです。
みんな一人でやってきてそしてたそがれ終えるとまた一人で帰っていきます。
また来年の春再会するために。

感謝の気持ちはたそがれから生まれてくるものがいいかもしれません。
わたしのカキ氷のお礼は何にしよう。

・・・かもめ食堂とどうしても比べてしまう。

空へ近づくドライブ

松本から沢渡、そして高山、下呂、名古屋へのロングドライブ。
できたらお日さまのあるうちに高山に着きたい。

空が近いドライブはいい。
オゾンをいっぱい吸い込んでいるともしかして・・・。
お互いヌレギヌを着せる。
湯煙が道端から立ち昇る。
すごい。
温泉に浸かりたいけど寄り道をしているわけにもいかずあきらめる。

ツレアイさんはトンネルやダムめぐりが好き。
ため息をつきながらもいつもはわたしの美術館めぐりに付き合ってくれるんだからしょうがない。
世の中にはそんな同業者らしきおっちゃんが結構いる。
うれしそうに知識を披露するのをはいはいと聞き流す事25年だ。

高山で10年前に入ったことのあるラーメン屋さんに吸い込まれるように導かれる。
高山ラーメンは媚薬が入っているに違いないと思っている。
生醤油のみたらしに牛串もはずせない。
古い町並みは真っ暗で人っ子一人いなかった。

下呂に着くころには八時半。
どうしても温泉に入りたくて寄り道。
下呂のお湯はさらっとしている。
10時まで営業しているのがありがたい。

お疲れさま?。
その日のうちになんとか自宅に到着し松本で仕入れた発酵シードルでほろ酔い気分。
ふじりんご100%。
ウマイ!イケル!

のんびり歩く松本

休日の朝七時、電話が鳴っている。

「今から帰るけど松本までこれる?」

寝ぼけまなこで頭がくるくる動き出す。
そして10時には車中の人になっていた。

結婚するまで中央線沿線に住んでいたわたし。
「しなの」は目の前をいつも駆け抜けていた。

列車に揺られると必ず睡魔が訪れる。
受身でいられる安心感。
鉄子を自認するまりりんだけど私はたぶんこの心地いい眠りが好きなのだ。
膝の上の文庫本は同じページ。

松本に降り立つと隣のホームに紫色の電車が停車していた。
アナウンスはあずさといっている。

「おー、これがあのあずさ2号か・・・。」

76be9255.jpg


ツレアイさんも新潟から車で到着。
観光案内でもらった「ロケ地を歩く松本の旅」のパンフレットが本日の水先案内人。

松本市美術館で巨大なオブジェ。

3ed08f26.jpg


薄川にはコスモスが揺れていた。

4b4b2fe0.jpg


ヒマラヤ杉の並木道のあがたの森から白壁の中町どうりを歩く。
水路が町中をめぐり水の音とアマチュアバンドが奏でるユーガッタフレンドが聞こえてきた。
まりりん

まーちゃん

月別アーカイブ
タグクラウド
記事検索
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ