「やさしさと穏やかさ。」
若年性認知症を患う人が一番望む事はと聞かれての答え。
祖母が認知症を患っていたとき私に一番欠けていたことだ。
まだ10代だった私。
トイレになんでも流してしまう祖母にきつくあたった。
「おばあちゃん、つまっちゃうよ。」
祖母は私に怒られたことで家を出た。
その祖母をそっと追いかけた。
疲れて座り込んだ祖母に声をかけた。
「おばあちゃん、お家に帰ろう。」
手をつなぐ。
今だったらわかる。
せっかく作ってもらったご飯を残すのを悪いと思ったのかもしれない。
栄養ばかり考えずに好きなものを聞いてあげればよかった。
一緒にゆっくり食べてあげればよかった。
祖母は母の悪口を実の娘にこぼしつづけた。
「もっとやさしく看てあげてくれませんか。」
そんな言葉にじっと耐えていた母。
「どうぞ、遊びにいらして義母さんの話相手になってあげてください。」
「親を見るのは嫁の役目、いやなら離婚したらいいじゃない。」
そんな時代だった。
誰だって好きで老いていくわけではない。
病気になるわけではない。
しかたがないのだ。
なるようにしかならないのだ。
体の痛みは少しは治療できる。
心の痛みはまだまだ解明されない。
家族はみんな期限のない介護に疲れはてている。
声をあらげたり、失望したりするのを患者は敏感に感じる。
きれいごとばかり言っていられない。
映画では一番汚い大変な部分や臭いは語られていないようだ。
でも世間が少しずつでも患者や家族に関心を持ち始めていることがうれしい。
若年性認知症を患う人が一番望む事はと聞かれての答え。
祖母が認知症を患っていたとき私に一番欠けていたことだ。
まだ10代だった私。
トイレになんでも流してしまう祖母にきつくあたった。
「おばあちゃん、つまっちゃうよ。」
祖母は私に怒られたことで家を出た。
その祖母をそっと追いかけた。
疲れて座り込んだ祖母に声をかけた。
「おばあちゃん、お家に帰ろう。」
手をつなぐ。
今だったらわかる。
せっかく作ってもらったご飯を残すのを悪いと思ったのかもしれない。
栄養ばかり考えずに好きなものを聞いてあげればよかった。
一緒にゆっくり食べてあげればよかった。
祖母は母の悪口を実の娘にこぼしつづけた。
「もっとやさしく看てあげてくれませんか。」
そんな言葉にじっと耐えていた母。
「どうぞ、遊びにいらして義母さんの話相手になってあげてください。」
「親を見るのは嫁の役目、いやなら離婚したらいいじゃない。」
そんな時代だった。
誰だって好きで老いていくわけではない。
病気になるわけではない。
しかたがないのだ。
なるようにしかならないのだ。
体の痛みは少しは治療できる。
心の痛みはまだまだ解明されない。
家族はみんな期限のない介護に疲れはてている。
声をあらげたり、失望したりするのを患者は敏感に感じる。
きれいごとばかり言っていられない。
映画では一番汚い大変な部分や臭いは語られていないようだ。
でも世間が少しずつでも患者や家族に関心を持ち始めていることがうれしい。